
寒い時期は、暖房のせいで燃費は悪くなりがちです。
でも、ちょっとした工夫でアイドリング時の燃費を大幅に良くすることができます。
この記事を読むと「アイドリング時の燃費が3割アップする方法」がわかります。
「A/C」を切るだけでアイドリング時の燃費アップ
その方法とは、エアコンの「A/C」を切るだけです。
専用の機器を使ってアイドリング時のガソリンの消費量を計測しました。

計測には、ユピテルのGWR53SDを使っています。車種はマツダ MPV-LY3Pです。
駐車場で、暖房設定(外気取り込み)でA/CのON・OFFをして計測しました。
計測の結果、「A/C」を切るとアイドリング時の燃費が3割以上良い結果となりました。
わずかな違いに見えますが、ちりも積もれば大きな違いになります。
1カ月で節約できるガソリン(MPVの場合)
塾や部活のお迎え、車内でくつろいでいる時間などを30分と仮定すると、
アイドリング時に節約できるガソリン
(1分間で8ml)×30分×30日= (1320ml-840ml)/2×30日=7,200ml
170円×7.2リットル=1,224円の節約
(レギュラー全国平均 170円/リットル で計算 ※2023.10)
アイドリング時のエアコンの「A/C」を切るだけで、1,224円のガソリン代の節約になりました。
今回は30分で仮定していますが、エンジン掛けたまま停車している時間がもっと長ければ、効果はもっと上がります。
設定温度と風量によるガソリンの消費量の違い(アイドリング時)
設定温度と消費量の違い
設定温度が18度、25度、32度の場合:「A/C」のON/OFFによる消費量の違い (※外気温14度)

温度設定を変えてもガソリンの消費量はほとんど変わりませんでした。

暖房はエンジンの熱を利用しているため、設定温度では消費量はかわりません。
設定風量と消費量の違い



風量を変えてもガソリンの消費量はほとんど変わりませんでした。

ファンの回転アップ程度では燃費に影響はないようです。
アイドリング時のA/Cオフによる燃費改善のまとめ
今回の計測結果では、アイドリング時に
- 暖房の「A/C」を切るとガソリンの消費量が約3割節約できる
- 暖房の設定温度や設定風量を変えてもガソリン消費量は変わらない
という結果になりました。
いつもアイドリング時間が長い人は、ぜひ実践してみてください。
エアコンは、初期設定では必ず「A/C」がオンになります(冷房時には除湿が必要なため)。
暖房を使う時は、意識的にオフにしましょう。
走行中は?どうなの?
車が走行している状態でも、同じような効果があります。
走行中の(走行に必要な)ガソリン使用料の消費量を均一にできないため、今回確認できていませんが、さまざまな検証から走行中でも「A/C」を切ることで10~15%の燃費改善があるとされています。
エアコンは、初期設定では必ず「A/C」がオンになります(冷房時には除湿が必要なため)。
暖房を使う時は、意識的にオフにしましょう。
注意点
A/Cをオフにするにあたり、注意点があります。
それは、A/Cを切ることで除湿がされないため、窓が曇りやすくなることです。
乾燥する季節は外気導入をすると曇りにくくなりますが、走行中に窓が曇ったときは、安全のために「A/C」を入れてください。

この辺を詳しく知りたい方はこの後もお読みください。
エアコンの「A/C」の役割と燃費の関係
エアコンの「A/C」をオンにするとコンプレッサーが稼働します。
カーエアコンは、エアコンガスをコンプレッサーで圧縮して液化を行い、気化を繰り返すことで、冷却をしています。
- エアコンガスをコンプレッサーで圧縮して加圧する(高温の半液体になる)
- コンデンサーで冷却する➡液化する
- 液体になったエアコンガスをエパポレーターに噴射する
- エアコンガスが気化して熱を奪う
- 冷却されたエパポレーターに風をあてて冷風を作る(冷房)
➡冷却されることで飽和水蒸気量を超えた水分が水滴となる(除湿)
以上の工程で、車の冷房は除湿された冷風がでてきます。
コンプレッサーには多くの電力が必要なため、燃費を悪化させます。
暖房では、冷却する必要がないのでコンプレッサーを使う必要がありません。

つまり、コンプレッサーを切ることで燃費を向上させることができます。
暖房でA/Cをいれると・・・
暖房時にコンプレッサーを使うと、⑤で作られた除湿された冷風にエンジンの熱を加えて温風をつくります。そのため、除湿された温風がでてきます。
夏と違い冬は外気は乾燥しているため、基本的には除湿する必要はありません。
大人数で乗る場合や天気が悪い場合などは、窓が曇ることがあるので走行前に「A/C」を入れることをおすすめします。
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