
せっかくのお出かけなのに、車酔いしてしまったら楽しさも半減です。
車酔いに対して即効性のある対策方法はありません。でも、今回紹介する方法を実践すれば確実に軽減できます。
あなたの原因がわあれば、効果的な対策ができます。ぜひ、最後までご覧ください。
車酔いの原因は脳の混乱
車酔いの原因は、体のセンサーの役割をしている「五感」から情報のズレです。
脳は五感を駆使して、いろいろな情報を集めています。しかし、感じる情報がバラバラだと混乱を起こします。
その結果、自律神経が乱れて「車酔い」を引き起こします。

どのように不調を起こすのか具体的に解説します。
その①:動きを感知するセンサー:目

人間は、目からの情報で動いている方向を認識します。
車に乗っているときは、前から後ろに景色が流れていくことで、「体は前に進んでいる」と認識します。
では、車に座ったまま左側を向いて景色をみるとどうでしょうか?
景色は、右から左に流れていきます。つまり、「体は横に進んでいる」と認識します。
②動きを感知するセンサー:耳

動きを認識するもうひとつのセンサーは耳にあります。
耳には、「三半規管」と「前庭」という器官があります。
どちらも中にはリンパ液という液体が入っています。体が動いたり傾くとリンパ液も傾くため動きを感知できます。
- 三半規管:上下、左右、前後の動きや回転の動きがわかる
- 前庭:上下、左右、水平方向の動きや早さがわかる
この2つの器官は、体の動きを感知することができます。
車が前に進んでいれば、「体は前に進んでいる」と認識します。横を向いているときも同様です。
③動きを感知するセンサー:皮膚

動きを感知するための3つめのセンサーが、体の皮膚です。
車が前に進めば、体は後ろ方向の押されます。シートに押し付けられるので、「体は前に進んでいる」と認識します。
車が曲がれば体が横に振られることで方向を感知します。
3つのセンサーからの情報が違うと脳が混乱する
このように体はさまざまなセンサーを利用して、動きを検知しています。
本来なら、①~③のセンサーからの情報は一致するはずですが、そうならない時があります。
例えば、車が直進している時に、左を向いて外の景色を見ていると
- 目のセンサー:景色が右から左に流れる⇒体が横に動いていると感知
- 耳のセンサー:三半規管と前庭は、体は前に進んでいると感知
- 皮膚のセンサー:シートに押しつけられるので、体は前に進んでいると感知
もし、下を向いて本を読んでいると
- 目のセンサー;視界は静止しているので、体は動いていないと感知
- 耳と皮膚のセンサー:体は前に進んでいると感知
このように、車に乗っていると脳には異なる情報が常に流れ込んできます。

車は直進だけでなく、カーブを曲がったり、ストップ&ゴーを繰り返します。坂を通れば上下運動も起こるので、より複雑な情報が入ってきます。
脳は、それぞれのセンサーの情報から体の動きを感じますが、情報がバラバラだと処理しきれず「混乱」を起こします。

脳の混乱は偏桃体に送られて解析される

脳は、この混乱が体にとって良いのか悪いのかを「扁桃体」で判断します。
偏桃体は、過去の経験をさかのぼってこの混乱が体にとって「快適」か「不快」かを判断する場所です。

もし、過去に乗り物酔いの嫌な記憶があると、この混乱を「不快」と感じます。
不快な情報で自律神経が興奮する→「酔う」
不快感を感じると、体は自律神経を活発にしてストレスホルモンをだして対抗します。その結果、胃腸の動きは過敏になり、吐き気につながります。
また、アドレナリンなどが過剰分泌されるため、血管が収縮して顔面蒼白になり、無表情になったり、冷や汗がでてきます。
いわゆる「乗り物酔い」の症状がでてきます。
乗り物酔いしやすい人の特徴

脳の混乱は、脳の発達が未熟な子供の頃ほどおきやすいです。
そのため、小さい頃に乗り物酔いを経験しやすく、それが扁桃体に嫌な記憶として残ると、乗り物酔いしやすい人になります。

つまり過去に、酔った辛い経験がある人は、その後酔いやすい傾向にあります。
どうすれば、乗り物酔いしにくくなる??
このように車酔いは、体が感じる情報の混乱と過去の過去の経験(記憶)が大きく関わってします。
そのため、もちろん本人のせいではありません。また、気合でどうにかなるものではありません。

でも、安心してください。こらから紹介する方法で、限りなく軽くすることができます。
これで安心!車酔いを軽くする5つの方法
これまでに、車酔いの原因を紹介しました。
一発で直すことは難しいですが、対策をすれば症状を軽くすることはできます。
①体のセンサー情報の混乱を減らす
3つのセンサーの中で、誤った情報を感じやすいのが「目のセンサー」です。
実際の動きと同じ情報を感じることができれば、車酔いはぐっと減ります。
対策1:進行方向を見る
車は前を進んでいるのに横の景色を見ていると、体は横方向に進んでいると勘違いしてしまいます。
できれば、助手席に座り進行方向の景色を見ましょう。
それに加えて、助手席だと減速のタイミングやカーブなどスピードの変化が事前にわかるため酔いにくくなります。
対策2:遠くの景色を見る
近くを見ていると景色の動きが大きいため、情報のズレが大きくなります。できるだけ遠くの方を見るようにしましょう。
もし、後ろの席に座って横の窓から景色を見たとしても、遠くを見ていれば情報のズレは最小限で済みます。
②好きなことをする
扁桃体が不快と感じにくくするために、自分の好きなことをしましょう。
好きな音楽を聴いたり、おしゃべりに集中できれば効果的です。
また、「未来のことを考える」のもおすすめです。到着してからのことなどを考えることで意識を「不快」からそらすことができます。
③事前に環境を整える
脳が不快と感じにくくするために、事前に環境を整えておくと、乗り物酔いの可能性がぐっと減ります。
対策1:体調を整えておく
自律神経の異常は、体調が大きく影響します。
睡眠不足や疲れがあると、耳のセンサーである三半規管がうまく働きません。長時間車に乗る前はしっかり休んでおきましょう。
対策2:食べ過ぎない、お腹をすかせすぎない
自律神経が活発になると、胃や腸の動きが抑えられるため、消化が進みません。
また、吐き気が強くなりやすいため満腹は避けましょう。
逆に、空腹すぎると胃酸の逆流がおきやすく、吐き気が強くなります。
乗る前は、あっさりしたものを軽く食べるようにしましょう。
対策3:酔いやすいものを事前に食べない
みかんや柑橘系の飲みのもなどは、酔いやすくなりますので避けましょう。
逆に、ガムやスルメイカ、梅干、炭酸水、アメなどはオススメです。
対策4:車内の臭いに注意する
密閉された車の中はいろいろな臭いがあります。乗り物酔いをしやすい人は、臭いにも敏感です。
強すぎる芳香剤、柑橘系の臭い、異臭が大きなストレスになります。強い臭いは避けたり、定期的に換気をしましょう。
ガソリンスタンドの臭いが苦手な人もいるので、事前に給油しておくのもおすすめです。
対策5:楽な服装にする
体を締め付けるような、服装は避けたほうがベターです。
いつでも緩められるボタン式の服や温度調整しやすい服装にしましょう。
④自律神経の興奮を和らげる
自律神経の興奮がストレスとなり、乗り物酔いは起きます。
気分が悪くなったら、冷やしたタオル冷たいペットボトルなどを首の後ろに当ててみましょう。
定期的に停車して、外にでてリラックスするのもおすすめです。
⑤酔い止めを服用する
最終手段は、酔い止めの利用です。薬なんて大げさじゃ・・。と思うかもしれません。
最近は、なめるだけのタイプや水なしで使えるもの、子供向けの飴タイプもあります。
あまり大げさに考えないで使ってみるのも良いと思います。

使うかどうかは別として、用意しておくだけでも安心できます。
\ 大人用:酔ってからでも効果あり! /
\ 子供用:飴タイプ 酔ってからでも効果あり /
車酔いしやすい体質は「慣れ」で変えられる!
せっかくのお出かけも車酔いしてしまうと楽しさ半減ですよね。
でも、これまでに紹介した方法で、確実に軽減はできるはずです。
対策を続けながら、酔わない経験を重ねれば偏桃体が「不快」と感じにくくなり、自然と改善に向かいます!
焦らず、少しずつ慣れていきましょう!