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【MRI基礎知識】プロトンの特徴と磁気モーメントの発生のしくみ

MRI信号の元となるプロトンの特徴と磁気モーメントが生まれる仕組みを解説します。

プロトン(陽子)は、正の電荷をもつ素粒子の一つです。

水素の原子核の質量数は1で、質量は1.6726×10-24gで電子の1863倍です。
水素の原子核中にはプロトン(陽子)が1個だけあります(中性子は0個)。

そのため、水素原子核=プロトンとも表現されます。

原子核の中で陽子は、スピン(自転)をしています。電荷をもつ粒子(荷電粒子)が回転することで、円電流が発生します。

円電流は、磁気モーメントを発生するため、そこに磁界(磁場)が生まれます。

円電流によって、棒磁石と同様の磁場が発生します。

磁力は、必ずS極→N極への「向き」があります。そのため、「大きさ」と「方向」を持つベクトル量とみなすことができ「磁気モーメント」と呼ばれます。

磁気モーメント

磁力の強さその向きを表すベクトル量

磁気モーメントを持つ原子核と持たない原子核

もし原子核に、陽子及び中性子がそれぞれ偶数個あった場合、それぞれ対になってお互い逆向きにスピンをします。その結果、逆向きに発生した磁気モーメントで打ち消しあいます。
そのため磁気モーメントは発生しません。

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例えば、16O(酸素原子)は陽子、中性子数ともに8であり、磁気モーメントを持ちません。

それに対し、水素原子(プロトン)は、原子核内に1個の陽子しか存在しないため、磁気モーメントが発生します。

プロトン以外の磁気モーメントを持つ原子核

プロトン以外にも磁気モーメントをもつ原子(核種)は存在します。
しかし、検出感度(磁気共鳴させた時の信号の強さ)が弱かったり、体内に存在しない核種もあります。

そのような理由から、MRIでは生体内に豊富に存在し、検出感度も高い「1H(プロトン)」が利用されています。

まとめ

MRIで利用されるプロトン原子の特徴と磁気モーメントの発生について解説しました。

次回は、この磁気モーメントが静磁場によって縦磁化に変わる仕組みを解説します。

https://mri-note.com/magnetic-moment-and-longitudinal-magnetization/

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