手のひらや足にできたほくろとメラノーマ(悪性黒色腫)の見分け方。悪性化させないために気をつけること。

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あの~ごまっちょ博士

最近足の裏にほくろができたのですが、大きくなってるような・・・

なに?足の裏のほくろじゃと?

それは病院にいった方がいいかもしれんの

えっ?ほくろでですか?

ほくろに見えても皮膚がんの可能性があるからじゃ。

では今日は、皮膚がんについて解説しようかの。

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皮膚がんの種類と特徴

皮膚癌は、大きく分類すると基底細胞癌有棘細胞癌悪性黒色腫(メラノーマ)の3種類にわけられます。

基底細胞癌

このうち日本人に最も多いのは基底細胞癌です。皮膚の一番下の層である基底層で発生します。

基底細胞癌は頭や顔など紫外線を受けやすい部分にできやすいため、長期的に紫外線を浴びることが主な原因と見られています。

そのため年齢が上がるほど発生率が高くなっています。

転移しにくい癌であり、手術で取り除けば予後がいい癌(再発しにくい)です。

有棘細胞癌

次に多いのが有棘細胞癌です。基底層と表皮の中間にある有棘層で発生する癌です。

基底細胞癌と同じく紫外線の影響が主な発生原因とされています。悪性度も低いため転移しにくく、転移前に外科的に除去できれば予後の良い傾向にあります。

悪性黒色腫(メラノーマ)

発生の割合が一番少ないのが悪性黒色腫(メラノーマ)です。メラノーマは「悪性」の名が示すとおり大変怖い悪性の皮膚がんです。

癌がまだ小さい初期の段階から転移をおこしやすく、再発率も高い癌です。

悪性化が進みやすく、5年生存率(5年間生存できる確率)も低いため注意が必要です。

こんなにも種類があるんですね。でも悪性黒色腫(メラノーマ)って怖いなぁ。

僕のほくろもメラノーマかもしれないんですか?

ん~。ほくろかもしれんし、メラノーマかもしれん。この2つはとても似ているので見分けがつきにくいんじゃ。

なんで似てるんですか?

では、ほくろとメラノーマの違いと似ている理由を説明するぞい。

悪性黒色腫(メラノーマ)

メラノーマ(悪性黒色腫)は、もっとも怖い皮膚癌のひとつです。

名前の通り黒い色をしており、見た目は「ほくろ」にそっくりです。

それもそのはず、メラノーマはほくろの元であるメラノサイトが癌化したものです。

ほくろ(黒子)

誰の体にもひとつはある「ほくろ」。

ほくろはメラノサイトという細胞から作られたものです。

人間の場合、表皮の細胞の約1割がメラノサイト、残り約9割が角化細胞でできています。

ほくろは黒いメラニン色素を含むメラノサイトが集まってできた母斑の一種です。

メラノサイトが皮膚の同じ深さに並んでいるものをほくろ(黒子)といいます。また、

メラノサイトが何層にも重なって表皮に盛り上がった状態を色素性母斑(又は母斑細胞性母斑)といいます。

肌や髪の毛の色の元となるメラニン

メラノサイト細胞によって作られるメラニン色素は、黒褐色(真性メラニン)または橙赤色(亜メラニン)をしており、肌やほくろの色の元となっています。

その他にも髪の毛の色をつけているのも、メラニンです。黒髪、金髪、赤毛、すべての髪の毛の色にメラニンが関与しています。

メラニンができるまで

メラニンの元となるのは体内にあるアミノ酸であるチロシンです。

チロシンは消化酵素であるチロキシナーゼが作用してドーパになります。

ドーパは続けてチロシンの作用を受けてドーパキノンになります。

ドーパキノンは不安定なため次々に自己反応を繰り返し、最終的に酸化されて真性メラニンとなります。

ドーパキノンとシステインが反応すると亜メラニンが作られます。

1個のメラノサイトは約10個の基底細胞にメラニンを供給しています。

メラニンは何のためにある?

メラニンの役割のなかで、もっとも重要なのは有害な紫外線からの防御です。

太陽からの紫外線は、波長が短くエネルギーが高いため皮膚のDNAに損傷を与えます。

皮膚が紫外線を受けると角化細胞から情報伝達物質である「エンドセリン」が放出されて、基底層にあるメラノサイトを活性化させます。

そしてチロシンを原料としてメラニンが生成されていきます。

メラニンは光を吸収しやすい黒褐色をしているため可視光、紫外線を吸収して皮膚を守ります。

メラニンが増えることで皮膚がんのリスクを減らしています。

人種によってメラノサイトの量はかわりません。人種による肌の色の違いはメラノサイト1個あたりのメラニンの生成量違いです。

そうか、ほくろの元となるメラノサイトが癌化したのがメラノーマだから、すごく似ているんだね。

見た目は似ているけど、メラノーマはとても怖い癌なんじゃ。

もっとも怖い皮膚がんメラノーマ(悪性黒色腫)

メラニンを作り出すメラノサイト自身は紫外線に弱く、癌化することがあります。

また、長期間刺激をうけることで癌化する場合もあります。

メラノサイトが癌化するとメラノーマとなります。

メラノーマは大きく分けると末端黒子型、結節型、表在拡大型、悪性黒子型に分類されが、型によって少し性格が異なります。

末端黒子型黒色腫

末端黒子型黒色腫は日本人にもっとも多いメラノーマです。全体の半数近くを占めています。

名称が示すとおり、体の末端(手のひら、足のうら、手足の爪)にできるメラノーマです。

褐色の小さな斑点が数ヶ月から数年かけて大きくなっていきます(前駆症状)。

最終的にはじゅくじゅくした潰瘍のようになります。

爪にできた場合は、最初は黒い縦線ができて次第にシミのように広がります。

紫外線による影響は受けにくく、主に継続的な刺激が原因となります。

40代以降の中年に多く発症しますが、若年でも発症例があります。

初期に見つかりやすいため、早期治療ができ予後も比較的良いメラノーマです。

結節型黒色腫

結節型黒色腫は、日本人に2番目に多いメラノーマです。全体の約3割を占めます。

末端黒子型と違い前駆症状なく突然、腫瘤や結節(硬いイボのようなもの)ができます。

メラノーマの中でも悪性度が高く、進行も転移もしやすいため極めて危険です。

40代以降の中年に多く発症しますが、若年でも発症例があります。特に若年で発生すると急激に進行してしまいます。

とにかく早期発見が重要なメラノーマです。

表在拡大型黒色腫

表在拡大型黒色腫は日本では全体の約2割を占めるメラノーマです。主に長期間の紫外線の暴露が原因です。

メラニンの生成量が少ない白人では全体の6割を占めますが、黄色人種の日本人はメラニンの発生量が多いため約2割と少数です。

しかし、もともと色白の人や日焼けをたくさんする人は注意が必要です。

前駆症状として皮膚の隆起と黒いシミができ始めその後腫瘤を形成していきます。

長期的な紫外線の暴露が原因であるため40代以降で多くみられますが、若年でも発症する可能性があります。

日焼けをするところであれば、どこでも発生する可能性のあるメラノーマです。

悪性黒子型黒色腫

表在拡大型黒色腫は日本人で一番発症が少ないメラノーマです。

前駆症状として黒いシミができ、その後ゆっくり大きくなっていきます。

進行すると皮膚の隆起がみられます。

主に高齢者の顔にできますが、進行が遅く治療しやすいメラノーマです。

危険!メラノーマの悪性化(増殖と転移)

メラノサイトが癌化すると、まず横方向(水平方向)に増殖をはじめます。これを水平増殖期といいます。急激にほくろが大きくなってくる時期です。

ある程度増殖すると、上方向(垂直方向)に増殖をはじめます。これを垂直増殖期といいます。垂直増殖期が始まると、盛り上がった形状になり、急激に転移の危険が増していきます。

メラノーマの転移の経路

メラノーマの転移は、主にリンパ管行性(リンパ管を通って広がっていく)に進みます。

まずは、一番近くにあるセンチネルリンパ節に転移し、その後肺や肝臓、骨、脳などに広がっていきます。

※そのため、手術前にセンチネルリンパ節生検が行われます。

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メラノーマができやすい部位

メラノーマは、皮膚にあるメラノサイトが癌化するほか、生まれつきもっている色素性母斑(母斑細胞母斑)や青色母斑などから生じる場合もあります。

その他、眼窩部や口腔内、鼻腔内などメラノサイトが存在する部分はすべて発生する可能性があります。

メラニンの生成量が少なく紫外線の防御が弱い白人は、紫外線を浴びやすい肌の露出部位に発生しやすく、メラニンの生成量が多い黒人は四肢の末端部に発生しやすいとされています。

黄色人種である日本人は、その中間に位置しています。

日本人では10万人に2人の割合、オーストラリアでは10万人に20人の割合で発生しており、人種や環境によって発生頻度が異なります。世界的には増加傾向にあるとされています。

メラノーマが怖いわけ

悪性化・転移のスピードが速い

メラノーマの怖さは、悪性度の進行の早さです。他の皮膚がんと比べ物にならないくらい早く進みます。

メラノーマの悪性化や転移のスピードは人それぞれですが、数週間~数ヶ月単位で治癒不可能なほど進んでしまうこともあります。

悪性度が進むと一気に5年生存率が低下します。

基底細胞癌、有棘細胞癌など他の皮膚がんと生存率が大きく異なるため、5年生存率曲線が別に用意されています。

刺激で転移しやすい

刺激による転移のしやすさにも注意が必要です。

例えば、皮膚がんをはじめ癌の鑑別診断(どの種類か調べる)には、生検がよく行われます。生検は癌の一部を針やメスで切り取って病理検査を行い顕微鏡レベルで調べるものです。

メラノーマの場合は、生検によって組織の一部がリンパ管などに流れ一気に転移のリスクが高まります。

そのため、まずはダーモスコピーなどによる目視による診断が推奨されています。

その後、切除範囲の決定など、必要であれば、部分切除を行うことがあります。

外科的切除のときも、最低でも2cm以上は広く切除することが必要とされています。

わかりにくいから発見が遅れる

一般的に皮膚がんは、皮膚の表面にあり発見しやすい特徴があります。

肺がんや肝臓がんなどが病院での検査で初めて発見されるのに対して、皮膚がんは誰でも見つけることができます。そのため皮膚がんは、悪性化する前に発見・治療が可能です。

しかし、メラノーマは「ほくろ」に非常に似ています。見た目でほくろかメラノーマか判断はできません。悪性度が進んで、形状が変わってしまえばわかりますが、そのときは病期がかなり進んでいます。

なんか変だなと思っても、もし癌であったときの怖さから、「ほくろ」だと信じたくなる気持ちもわかります。

しかし、その気持ちが発見を遅らせてしまい、早期発見を妨げてしまいます。

メラノーマも、早期発見であれば5年生存率は100%近くあります。

とにかく、気になったら受診することが大切です。

メラノーマの診断方法

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出典:日本皮膚科学会ガイドライン: 日皮会誌, 2007, 117(12), 1855-1925

メラノーマが疑われた場合、まずはダーモスコピーで調べます。

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出典:Nikkei Medical 2005.9

ダーモスコピーはメラノーマを診断するための専用の拡大鏡です。

20~30倍の拡大率をもっており、明るく照らす照明も内蔵しています。

検査時には皮膚に特殊なジェルを塗ります。

ジェルによって表面の光の反射が少なくなり皮膚の深いところまで観察ができます。

メラニン色素の分布や毛細血管の走行を確認して診断します。

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皮溝部に平行に一致して線状の色素沈着(色素細胞母斑出典:Nikkei Medical 2005.9)

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淡い色調だが皮丘(皮膚溝でない部分)にびまん性の褐色素沈着が見られる(メラノーマ)
出典:Nikkei Medical 2005.9

ダーモスコピーで診断がつかないとき(疑わしい)は、生検によって組織の一部を切り取って病理検査にまわします。

人種とメラノーマの発生割合

日本人の場合、年間約2000人が(10万人に2人の割合)メラノーマを発症しています。

オーストラリアの10万人に20人のという割合に比べると少ないですが、年々増加傾向にあります。

メラニンの生成量が少なく紫外線への防護が弱い白人では、紫外線の影響を受けやすい表在拡大型が約58%と多数なのに対して、日本人は17%となっています。

逆に、日本人は紫外線の影響を受けにくい肢端部(手足の先)が約半数を占めています。

肢端部における主な発生要因としては、継続的な刺激があります。

そのため、足の裏や手の平にできた「ほくろ」には注意が必要です。

弱い刺激だとしても、同じ部分に刺激を与えることで発症のリスクが高まります。例えば、靴づれを放置したり、装具などの硬い部分の接触なども注意が必要です。

ほくろをつついたり、ほくろから生えている毛を抜いたり、イボコロリなどでほくろを取ろうとすると思わぬ刺激を与えてしまうこともあります。

とにかく刺激をしない、紫外線を避けることがメラノーマを予防することにつながります。

メラノーマとほくろを見分けるには?

メラノーマと正しく診断するには、皮膚科専門医によるダーモスコピーによる検査が必須です。

素人が見た目で判断することは危険です。また、手遅れの大きな原因にもなります。

※気になったら自己判断せずに受診することを強くお勧めします

ここでは、実際の診療で使われる基準を紹介します。

それはABCD(E) ルールといわれるものです。

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出典: 写真で見るメラノーマの特徴、検査から最新治療まで|メディカルノート

A: asymmetry(左右非対称)

左右対称か非対称か?非対称でいびつであれば危険

B: border(境界)

色が不均一で色素の染みだしがあるか?辺縁がはっきりしておらず、
にじんでいれば危険。

C: color(色調)

脱色素や炎症の影響で色が変化します。
色が黒褐色以外に濃淡があったり、灰色、青色などまだらに混在していれば危険

D: diameter(直径)

大きさが7mm以上あると危険。
母斑の場合先天性のものを除くと一般的には6mm以内が正常とされる

E: enlargement or elevation(増大または隆起)

水平増殖期では急激に大きくなります。また、垂直増殖期では盛り上がってきます。
急激な変化(1~2ヶ月で1.5~2倍など)があったら危険です。

どうですか?気になるほくろに当てはまるものはありますか?

ここにあげたもので、ひとつでも当てはまるものがあれば注意が必要です。

あてはまれば必ずメラノーマというわけではありません。例えば良性のほくろでも6mm以上のものもあります。

気になるほくろは観察して記録しておこう

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とにかく変化に気をつけてください。色の変化や大きさの変化を経過観察しましょう。

スマホなどで写真をとっておくのもお勧めです。そのとき変化がわかるように定規などを横に並べて撮影しておくと大きさの変化がわかりやすいです。

色の変化も見るために明るいところで撮りましょう。

最後に大切なことをまとめるぞい!

メラノーマ(悪性黒色腫)にならないため、悪性化させないために

  • メラノーマはほくろと同じメラノサイトが癌化したものだからとても似ている
  • ほくろが多い人は、メラノーマになる確率が少しだけ高いので注意しましょう
  • 色白な人はメラニンの生成量が少ないので紫外線を浴びすぎないようにしましょう
  • 足や手にほくろができた時は、特に注意が必要です。大きさや色を観察し続けましょう(写真を撮るのがおススメ)
  • ほくろは刺激をしないようにしましょう(いじらない、つつかない、無理にとらない、ほくろの毛を抜かない)
  • 自己判断は禁物です。気になったらすぐに皮膚科へ。
  • そのうち・・・が命取りです。後悔しないためにも早めの受診を!

ありがとうございます。メラノーマのことがよくわかりました。

すぐに皮膚科に行ってきます。

ごまおくんの質問コーナー

日焼け止めを使った方がメラノーマになりにくいですか?

ん~いい質問じゃ。

日本癌治療学会が作成しているがん診療ガイドライン(皮膚悪性腫瘍)の中から紹介しよう。

白人ではメラノーマの約6割が表在拡大型黒色腫です。そのため、遺伝的な影響の他に長期間の紫外線暴露が大きな原因となります。

しかし、さまざまな研究において小児期から日焼け止め(サンスクリーン剤)を使った場合、メラノーマの発生を減少させるという結果は得られていません。

じゃあ、あんまり効果はないんですね?

いやいや、そうとも言えん。実はこの頃の日焼け止めはUVBは防げても、UVAは防げなかったんじゃ。

最近はUVBもUVAも防ぐことができる高機能なものが増えておる。

その後に行われたUVB,UVAを防ぐことのできる日焼け止めを使った研究では、日焼け止めによってメラノーマの発生を減少できたとの結果が得られています。

日本人は表在拡大型黒色腫が2割程度じゃから、欧米ほど効果がないかもしれんが日焼け止めをしっかり選ぶことは大切じゃな。

僕はもともとほくろが多いのですが、メラノーマになりやすいですか?

生まれた後にできる後天性色素細胞母斑の数が多いとメラノーマの発生のリスクが高いことがわかっています。

さまざまな研究から、白人ではほくろが50個以上あると表在拡大型メラノーマを発症する可能性が高いとされています。

人種の違いもあり、日本人にそのまま当てはまるわけではありませんが、日本人でもメラノーマ患者のほくろは多い傾向にあるため注意が必要です。

特に色白でほくろの多い方(50個以上)は、定期診察が推奨されています。

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