体の機能が分かる!放射性医薬品を使った核医学検査の特徴と被ばく

核医学検査って知っていますか?

「核医学検査」って聞いたことありますか?

普通に生活していたら、まず聞くことのない言葉のひとつだと思います。 でも、れっきとした病院で行われる検査のひとつで、とても役に立つ検査です。

今回はなかなか知ることのない「核医学検査」について紹介します。

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なんで「核医学検査」っていうの?

核医学検査と聞くとなんだか怖いイメージがありますよね。

たぶん「」という文字が使われているからでしょう。

核というと核燃料、核兵器・・・ちょっとネガティブなイメージです。 でも核医学に使われる「核」は、少し意味合いが違います。

検査に使われる「放射性核種」からきています。

検査に使われる放射性核種とは

放射性核種は、簡単に言うと放射線を出す物質です。

私たちのまわりには、いろいろなものがあります。家や車、机や電話・・・ありとあらゆるものは、元素からできています。

学校で元素記号表というのをならったのを覚えてますか?H(水素)から始まって全部で118個が見つかっています。

それぞれの元素(原子)は安定していて、短時間で壊れることはありません。だから例えば鉄できた車の形は変わらないし、家が突然崩れることもありません。

しかし、同じ原子でもその材料である陽子、中性子などの数によっては安定していないものもあります。

そういった原子は、時間とともに壊れていきます。壊れる過程を放射性崩壊といいますが、壊れる時に放射線を放出します。(この放射線は、原子のまわり回っている電子や原子内部の陽子、中性子の相互作用が関係して放出されます)

このような原子を放射性核種(又は放射性同位体:RI)といいます。

この放射性核種を使って検査をすることから、「核」医学検査と呼ばれます。

放射性医薬品で体の機能がわかる

RIは壊れながら放射線を出す原子です。

そのRIと人体で使われる成分をくっつけたものを放射性医薬品といいます。

例えば、骨の材料である成分にRIをくっつけて注射すると、骨に集まります。また、腎臓に集まる成分にRIをくっつけて注射すると腎臓に集まります。

RIからは微量の放射線が出ていますので、体の外から計測したり画像にすることが可能です。この仕組みを利用したのが核医学検査です。

病院で行われる検査には、CTやMRI、レントゲンなどがありますがこれらの検査は目的のものの形を見る検査です。

それに対して核医学検査は、放射性医薬品が体に使われる様子を見ることができるので体の機能を見ることができます

シンチグラフィーと呼ばれる理由

RIからでる放射線はシンチグラフィーという結晶を使って光に変えます。

そして、それを増幅して画像にしていきます。そのため、核医学の検査は○○シンチグラフィー、略して○○シンチと呼ばれます。

シンチグラフィーのいろいろ

脳血流シンチグラフィー

高齢化社会を迎えている日本でもっとも重要な核医学検査です。

頭の血流を調べることで、認知症の診断に役立ちます。また、脳血管障害の有無や程度の把握にも役立っています。

唾液腺・耳下腺シンチグラフィー

唾液極端に少ないドライマウスの程度の把握や耳下腺腫瘍の悪性・両性の診断などに有用な検査です。

甲状腺シンチグラフィー

甲状腺ホルモンを作り出す甲状腺に機能を調べる検査です。

機能が強くなっているとバセドウ病やホルモン産生腫瘍などが疑われます。逆に少ないと甲状腺炎やクレチン症などの疾患が疑われます。

副甲状腺シンチグラフィー

副甲状腺から分泌されているホルモンは体の中のカルシウムの量を調整しています。

高カルシウム血症などの場合に副甲状腺に腺腫などがないかを調べることができます。

心筋シンチグラフィー

心筋の血流の様子を見ることができる検査です。

心臓の血管である冠状動脈が細くなったり、詰まると心筋が死んだり、動きが悪くなります。そのまま悪化すると心筋梗塞などの危険があります。

心筋シンチグラフィーは、血液が正常にいきわたっているかを詳しく見ることができます。

また、心電同期を使って心臓の動きに合わせて撮影することで、心臓がどれくらいの血液を送り出しているのかや、動きが悪い部分の有無や程度を知ることができます。

腎シンチグラフィー

腎臓は体中から集めた老廃物を血液から取り除いてくれるフィルターのようなものです。

この働きが悪くなると、腎機能が悪化して重大なトラブルを引き起こします。

腎シンチグラフィーは、腎臓のろ過や排泄機能を詳しく調べることができます。それによって透析の必要性や手術前の状態を調べることができます。

骨シンチグラフィー

癌などの疾患はかなりの確立で転移を起こします。

骨シンチグラフィーは、骨の代謝の様子を見ることで、骨転移の有無を調べることができます。

それ以外にもリウマチなど炎症が起きている場所や腫瘍の性状の判断にも利用されます。

肺血流シンチグラフィー

肺は吸い込んだ空気に含まれる酸素を血管に送り、不要になった二酸化酸素を血管から取り除いています。

このガス交換によって私達は生きていられます。ガス交換は、肺を流れる細い血管である肺動脈によって行われます。

この動脈が、血管内でできた血の塊(血栓)などによって詰まるとガス交換が行えません。また、肺動脈が詰まると心臓が頑張って血液を送り出すので負担がかかります。

そのため心臓の機能が悪くなり、悪化すると心不全という重大な病気になってしまいます。

肺血流シンチグラフィーは肺動脈に詰まりがあるのかどうかを調べることができます。

その他のシンチグラフィー

この他にあまり行われませんが、消化管出血シンチグラフィー、蛋白漏出シンチグラフィー、リンパ管シンチグラフィー、炎症シンチグラフィーなどがあります。

核医学検査に対する疑問

核医学検査は、放射線を出すRIを使った検査です。それゆえに、被ばくが心配ですよね。

核医学検査における被ばくの問題

核医学検査で使われる放射性核種(RI)はひとつではありません。検査によって使われるRIの種類が違います。

主なものをあげると、99mTc、210TlCl、131I、123I、67Gaなどです。

検査によって使う量が違います。普通は37MBq~740MBqといった量が一般的です。

RIと結合させる成分によって体に集まる量が違います(集まらなかった分は尿などで排泄)ので、使った量が多いから被ばく量が多いわけではありません。

また、それぞれの核種は時間と共に放出する放射線の量が少なくなりますが、その割合が違います。

核医学検査は、四半世紀近くの歴史をもつ検査法です。当然被ばくの問題も論議されてきました。その中で、現在行われている検査による被ばくは健康に問題ないことがわかっています。

もちろん放射線は浴びないに越したことはありません。それはレントゲンやCT検査にも言えることです。そのため、検査によって得られる重要な情報が、被ばくのリスクを上回ると判断されたときのみ検査を行ってよいことになっています。

もちろん心配であれば、検査を依頼する先生に相談するべきですが、とても重要な情報を得られる検査であることも確かです。

日本の医療機関で行うのであれば、使用されるRIの量などは厳しく規制され管理されています。検査の時の被ばくによって癌などになることはまずありません。安心して検査を受けてください。こちら→(日本メジフィジックス)も参考にしてください。

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