日本人が発見!レビー小体型認知症の原因と治療法


小阪憲司先生

レビー小体型認知症(DLB:dementia with Lewy bodies)は、日本の小阪憲司先生が最初に報告した認知症です。

レビー小体とは

ドイツの神経学者フレデリック・レビーが発見した封入体(※)をレビー小体といいます。※封入体とは体の細胞の中にできる異常なタンパク質の塊です。

従来よりパーキンソン病患者さんの脳幹と呼ばれる部分だけにレビー小体が集まることが知られていました。

1976年に日本の精神科医である小阪憲司先生が脳幹以外の大脳皮質などにもレビー小体が集まる認知症を報告しました。それが、レビー小体型認知症(DLB)です。

現在では、脳幹にレビー小体が集まるものをパーキンソン病(PD)、脳幹や大脳皮質など広い範囲に広がるものをレビー小体型認知症(DLB)と呼んでいます。

レビー小体型認知症の特徴

レビー小体型認知症は、60~80代の初老期、老年期の男性に多いとされています。

認知症の中で10~30%を占めています。現在日本には50万人近くの患者さんがいるとされています。

原因

レビー小体はもともと脳の細胞の中にある成分が集まってできた塊です。

主成分はα(アルファ)-シヌクレインと呼ばれるタンパク質です。このタンパク質が集まることによって脳の神経にダメージを与えると言われています。

限局性ではなく、大脳皮質の広い範囲に分布するため、さまざまな症状を出すことになります。

脳の中は千数百億以上の神経細胞がが張り巡らされています。お互いは直接接しておらずわずかに離れています。

その離れた部分は伝令役の神経伝達物質が伝えてくれます。神経伝達物質にはドーパミン、ノルエピネフィリン、セロトニンなどがあります。

その中のドーパミンは脳の中の線条体という部分に多く存在しています。

レビー小体型認知症では、このドーパミンが不足することで、情報の伝達がうまくいかず認知症症状を発症するといわれています。

レビー小体型認知症の症状

発症前の段階

認知症症状がでる前の段階から自律神経の異常がではじめます。
嗅覚障害(においや味が分からなくなる)、便秘睡眠障害が症状としてでてきます。

特にこの時期にせん妄(軽い意識の混濁)が出る場合はレビー小体型認知症を疑う要因となります

認知症状

症状としては他の認知症と同じように、最初に物忘れなどの記憶障害がでてきます。

それに加えてレビー小体型認知症では、幻視や幻覚の症状が強くでるのが特徴です。

MEMO
実在しない人が見えたり、壁に虫が見えたりといった症状がでてきます。また、カバンがイヌやネコに見えるなどの錯視の症状がでることもあります。

精神症状としては、一日の中で気分の変動が大きく、無気力でぼーっとしている状態と興奮した状態を一日の中で繰り返していきます

運動障害

パーキンソン病と同じく歩行の障害がでやすく、関節が固くなり動きづらくなる(拘縮)ため転倒しやすく、寝たきりになる人も少なくありません。

パーキンソン症候群を発症することもあります。

MEMO
安静にしているときに手や足が震える安静時振戦や、動く量や動きがゆっくりになる無動、体や関節が硬くなる筋強剛、姿勢保持反射といった主要四徴候のうち2つ以上が認められる場合パーキンソン症候群とよばれます。

自律神経系の障害

アルツハイマー病、パーキンソン病と同じく自律神経系の障害がでやすいのも特徴です。そのため失禁をしたり、便秘になりやすくなります。

特にレビー小体型認知症の場合は血圧の調整機能が落ちるため、立ち上がった時に血圧が大幅に下がる起立性低血圧などの症状がでやすくなります。

最終的には、これらの症状が強くなり呼吸器や循環器疾患を引きおこし死亡につながることがあります

レビー小体型認知症の治療

向精神薬による精神症状のコントロール

コリンの減少を抑える抗コリン薬やドーパミンの材料となるドパミン前駆物質などの抗パーキンソン病薬による運動症状の改善

血圧のコントロールによる自律神経障害の改善

などが主な治療になります。

レビー小体型認知症は薬の影響を受けやすく、逆に悪化させる場合もあるため、薬の種類や量など慎重な投与が必要です。

※アルツハイマー病と誤って診断されてしまうと、アルツハイマー病治療薬で症状が悪化する場合もあります。

確実にレビー小体型認知症と診断される必要がある理由のひとつです。

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